Reading Tour

よく停滞、時に更新、きままな読書系ブログです

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なるほどつまりはこういうこと

たまたま、オルテガ・イ・ガセットの『大衆の反逆』について
議論する機会があった。大衆とは大衆化社会とはという問題について
考察した優れた名著なんだけど、議論した相手が凄かった。

『大衆の反逆』で述べられている指摘のひとつとして、
大衆化社会になればなるほどモラルの荒廃が進む、というのがある。

「これって現代にも当てはまることだよね。例えば援助交際とか電車で化粧とか」
と言ったけど、聞いた相手は
「物心ついた頃から、みんなやってるし、何がモラルの荒廃なのか分かんない。
確かに援助交際とか嫌だけどぉ~、電車で化粧とかしたい人はすれば良いんじゃ?」と。

その後、話は逸れちゃったけれど、今風の考え方だなぁってつくづく。
要するにこの人は「今、私が見ている、考えていることは不変だ」って
言ってるようなものだからね。

あ、やっぱり訂正。今風じゃないや。昔からあるか。みんながみんな
「変わらない」気持ちを持つから、ジェネレーションギャップが存在するのか。

なるほどつまりはこういうことか。

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アバウト・ラブの背後にあるもの

大学の授業の一環として、現在公開中の映画
戀愛地圖(邦題:アバウト・ラブ/関於愛)の「東京編」だけを観た。

「東京編」は30分程度のお話で、偶然が偶然を呼び、最後にようやく二人
(伊東美咲と陳柏霖《チェン・ボーリン》)は……という話。

ポイントは偶然とリアルの問題。

何をもってリアルと感じるか。学生の中に、この話は最初から「あり得ない」
という感想を持つ人がいた。しかし、「じゃあ、何をしてリアルか?」
映画の設定があり得ないなら、どうすればリアルといえるのだろうか。
もっとも、芸術自体「リアル」など表現しても意味ないと自分は思うのだが。

日常のさりげないことを表現するのは、かなり難しい。表現したところで、
非常に陳腐になるか、個別の体験としか言えなくなってしまう。さりげなさを
見つけ、表現し、共感させれば、一応は芸術として「リアル」になる。
(それでも「リアルだろうか?」という疑問はやはり払拭できない)。

この問題は、無論芸術だけに限らない。
例えば、テレビに映っていることは本当にリアルか? という問題だっていえる。
政治家、芸能人、話題の動物、すべて実際に自分で見たわけではない。
だけど、それらはみな存在している。

すべて引っくるめて、「リアルとは何なのか」
そういう問いが、ストーリーの背後に入ってたりして、この映画深かったりする。

まー哲学だよね。たまには思索を拡げてみるのも悪くはないかなーと。

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日々是読書三昧

今日は2つ小説と1つエッセイを読んだ。『平成マシンガンズ』・『窓の灯』と『言葉の箱』
心地よい疲れと充実感がいま、体全体を覆っている。
このような高揚感はなかなか訪れてくれない。
今日という1日が充実していたから、実感できるものだ。

と不器用に格好つけつつ雑感を。
『平成マシンガンズ』
まぁ、これは十代じゃないと書けないよねって感じの作品。学校生活と家庭内不和の妙な
生々しさ、プラス小説らしさを出そうとして、中途半端になっている感がした。悪くはないけど、
もうちょっと欲しい。(辛辣に言うなら、この手の話は漫画がとっくに表現しているんで、
新しさはない)

『窓の灯』
この作者は日頃からものごとをよく観察しているんだと思う。とっても視覚的な書き方をする。
描写そのものが目の前に浮かんでくる、上手な書き手だ。でも小説がない。というか失敗している。
どのキャラクターも際立っていない。出てくるだけ出てきて、そのままになっていて、
もったいない。また、作品の核に迫ろうとして、話がバラバラに不時着したという感じ。
確かな表現力を持った人なので、次に期待。

『言葉の箱』
辻邦生さんはこの本の中でめちゃくちゃ素晴らしいことを述べている。
ここで自分が語るより、買って読んだがいいと思います。

明日も本読むぞー。

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うーむ、うーむ

街場のアメリカ論』を読了。今回初めて内田先生の
著作の内容に疑問がついた。普段はなるほどなるほどと
首を上下に振りながら、読んでしまうくらい同意するのだが、
今回は首を横に振ってしまった、残念ながら。

>もう少し読者のみなさんにも苦吟するなり輾転反側するなり歯がみするなりして頂かないと、憎々しげなことを書き連ねた甲斐がない。


御自身のブログで仰っているので、「まんまとひっかかった」のかもしれない。

とはいえ、やはり今回はいただけない。何がいただけないかというと、「第2章」
この章は「ファストフードもスローフードもどっちも食えばいいじゃない」と言って
締めているが、問題はそうじゃないでしょってこと。

食政策において極端な政治的イデオロギーがつくのはなるほどと思ったのでいいが、
昨今、食における環境が酷いことに内田先生は気付いているのだろうか?
つまり、ファストフードしか食わない人間がいること。

東京は包丁を持たなくても、食っていける環境だ。

それこそ、ステーキのあら皮から吉野家まで、家で料理しなくても外食で充分暮らしていける。
そんな生活してたら、絶対舌は壊れるよ。美味しいものを美味しいと言えないなんて、
それは不幸以外の何ものでもない。

こういう経験がある。高校の修学旅行に行った時、グループで昼食を食うことにした。
その時、あそこに行こう、こっちに行こうとか案があったけど、必ず誰かが「これ食えない」
と言って、話がまとまらなかった。結局、全員が一致したのはマックだったので、
みんなでマックに行くことにした。

個人的体験を一般論にすり替えることの危険性を重々承知しながらも、
言わずにはいられないのだが、この手の話はどこかで聞いたような、でもあり得なくはない話
ではないだろうか。スローフードは手間も暇も金も掛かる、ファストフードは早いし安い。
統計を取るまでもなく、ファストフード人口>スローフード人口だろう。

スローフードの良さを喧伝する人間がいる一方で、味に鈍感もしくは舌が壊れた人間がいる。
「第2章」の中に、「味に敏感」な人間を危惧する文があっても、「味に鈍感」な人間を
危惧する文は一文もない。

だからこそ、「ファストフードもスローフードもどっちも食えばいいじゃない」という言い方に
違和感がある。

濫作してよく吟味しなかったのかなぁ。今年に入ってから納得の頷きが減ってきたが、
ここに来てついに横に振るまでになってきたとは……うーむ。
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書籍大量購入

一週間ほど日本を離れて、海外で羽を伸ばしていた。
その反動だろうか、1万2千円ほど書籍を購入。
(その内4千円は図書券)
行きにジュンク堂、帰りに古本屋さん。

近くの古本屋はなかなか自分好みの書籍が売ってあって、
以前から買いたい本が並んでいた。「買いたい! 買いたい!」
ずっと念じていた欲求が、旅行により爆発したのかもしれない。
またもや積読本が増えてしまった、どうしよう。
読むしか減らす方法は無い……。

買うペースと読むペースが明らかに違う。完全に購入>読書だ。
積読本、数えてはないけれど、多分百冊超えたかもしれない。
それプラス買いたい本はまだまだある。放っておけば、すぐに
手に入らなくなるものやすでに絶版のものがあって、見つけたら
購入しておかないと次はなかったりする。読書離れの弊害が
こういうところにあったりして困っちゃったり……。

……と、愚痴に近くなってきたので、今日はこんなものを買いましたと。
ジュンク堂で買ったのが
辻邦生 『言葉の箱』 文春文庫
内田樹 『街場のアメリカ論』 NTT出版
稲葉真弓 『環流』 講談社

古本屋さんでは
有吉佐和子 『ぷえるとりこ日記』 新潮社
井上ひさし 『どうしてもコメの話』 新潮文庫
丸山健二 『丸山健二全短篇集成1~5』 文藝春秋
野上弥生子 『野上彌生子全集1~3、12、14~16、18、20、21』 岩波書店
野上弥生子 『花』 新潮社

以上21冊。さて、どうなる。

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One-line book review 14

白洲正子自伝/白洲正子
ご存じ白洲次郎の奥さん、樺山資紀の孫。優雅でかつ豪快なお方。
生きて行く私/宇野千代
白洲正子と同様、小林秀雄や青山二郎と付き合いのあったお方。萩原朔太郎は何てキザなんだ。
野上弥生子随筆集/野上弥生子
生涯現役作家だったこの方が何を考え、何を思ったか。
雀の手帖/幸田文
露伴に厳しく育てられた文の日常を綴ったもの。「砂利」「みち」の文体は非常に流麗。すばらしい。
武家の女性/山川菊栄
女性は昔虐げられていた? とんでもない! この本を読めばたおやかで優雅な生活で充ち満ちているのが分かる。

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今日は良い日

何気なーく、古本屋に立ち寄ったら、
さきおととい、購入できなかった『円地文子の源氏物語(巻1)』を発見。

有無を言わず購入。
こんなあっけなく見つかるとは思ってもみなかった。
よかったよかった。

お知らせ
私用のため、一週間ほど更新しません。
悪しからず。

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欲しいものあれこれ

ちょっといいことがあって、しばらく本を購入するだけなら余裕がある。

足繁く本屋さんに通う日々、立ち読みで文藝冬号を見る。
話題の文藝新人賞の選評と二人の受賞コメント、及び受賞作
の『平成マシンガンズ』、『窓の灯』の冒頭だけをさらりと読む。

ぱっと読んだだけの感じじゃ、青山さんの『窓の灯』がビビッときた。
この直感どうなんだろう。

それはさておき、選評者のコメントが言い訳がましい。
選んだのなら、15歳の受賞がどうだというんだろう。
それとも、河出と選評者との間に方向性の違いがあるのだろうか。
みんな一様に、可能性は評価しつつも、積極的に押してはいなかった。

話題作りの名目の元、『平成マシンガンズ』は芥川賞候補に
選ばれそうな気がする。河出は経営状態があまりよろしくないから
なりふり構わないだろうし、綿矢効果で味を占めているからなぁ。

このような状況を小林秀雄ならどう思うだろうか。
小林秀雄は作家泣かせで有名で、手を出せない
(誰かの門下に入っている)作家以外はみんな
泣かせてきたほどだ。

小林一派が揃っている中、「最近のお前さんの書くものはなんだい」
とか言われたら、そりゃあ怖い。ちなみに大江健三郎が最後に
泣かされた作家だそうな。

とあれこれ考えながら、家に向かっていると古本屋を発見したから
入って色々見る。そういう時に限って、すでに絶版本で入手不可の
文庫を発見する。井上ひさし『コメの話』購入。ほくほくしながら帰路につく。
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古本屋で図書券が使えないなんて

パイナップルが入っていない酢豚みたいなもんだよ。

と理解できそうで意味不明な例えなんですが、腑に落ちないなぁ。
もうちょっと使える範囲を拡げて欲しいなぁ、と思うだけで何もしませんけど。

そしてジュンク堂ぉ! 「在庫なし取り寄せ」って検索結果だから、
取り寄せ頼んだら、「出版社にも在庫ない」って……むむー。

なら、「在庫無し 現在この商品はご注文いただけません」と
どう違うんだろう? それとも不備? んー。

まぁ、いいか。6冊中4冊は手に入ったし。漫画2冊、文庫2冊。
魚喃キリコ
『南瓜とマヨネーズ』
『Strawberry shortcakes』

円地文子
『円地文子の源氏物語 (巻2) わたしの古典』
『円地文子の源氏物語 (巻3) わたしの古典』

とはいえ、なぜ『円地文子の源氏物語(巻1)』だけが絶版状態になっているのだろうか。
不思議だ。

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そういえば綿矢りさ

大学の近くの本屋に出向くと、『インストール』の文庫版が
売ってあった。ずっと前に読んだことあるなぁと思いつつ、
手に取ってみると、やたらと分厚い。あれ? と思って、
もくじをみると、書き下ろし作品「you can keep it.」
が目に飛び込んできた。

というわけで買ってしまいました。

両方読み終えて、浮かんだことは、
つくづく彼女は小説家なんだなーってことでした。

「you can keep it.」は大学一年生のお話なんだけど、
巧くそれが描写されてて、相変わらずだなぁという感じ。
流石と思ったのは、視点が鋭い。
日常の何げないものをうまく描写している。

同じ大学にいるから、なるほどあのシーンのあの場所はこの場所
という風景がすぐに浮かんでくる。面白いと思ったのは、
キャッチボールうんぬんの話。うちの大学は、「キャッチボール禁止」
という立て看板がある。入学以前からあるらしく、すっごいボロボロに
錆び付いているし、何よりも気が付かないくらいひっそりと置かれている。

「you can keep it.」ではキャッチボールを投げている学生がうんぬん……
とあるのだが、「実際にあったんだろうなぁ」という出来事が描かれてて、
面白い。今となっては見ることができないその風景を、綿矢さんは彼女の
想像力を駆使して書いた、その点が流石と思った。

彼女に関することで、印象深い想い出(?)がある。
彼女とはちょうど14号館と15号館の間ですれ違ったことがある。
向こうは自転車を引きながら、こちらはやや早歩きで歩いていた。

すれ違いざまに何となく目を見たのだけれど、それが凄かった。
うまく言えないが、彼女の目の中に宇宙があったのだ。
目の奥に秘めた力とでも言おうか、とてつもなかった。

人はよく性格でその人の力量まで測ろうとする。
ネアカだったらこの人は何かやってくれそうだとか、
ネクラだったらこの人は大したこと無いだろうとか。

でもそれは間違っている。ネアカだろうがネクラだろうが、性格は関係ない。
その人が持つオーラは目の奥にある。講演会等で偉い人を目の当たりに
すればよく分かる。何かを成した人の目、ひいては全身から溢れるオーラは
すさまじい。同年齢で、あそこまで力強い目とオーラを持った人は
指で数えるくらいしか見たことがない。(ちなみに彼女以外の人もその道では
一流のプロとして各々やっている)

流石は芥川賞作家か。

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早稲田青空古本祭に行ってきた

授業さぼってw

2時間ぐらい物色したものの、ぱっとしなかった。
おまけに、客層がちょいと感じ悪い。
自分の世界に入り込んでいる人たちばかりで、
「儂は絶対どかねーぞ」オーラが……。

古本巡りをすると、この手のお方が必ずいるけど、
今日は遭遇率が高かった。授業さぼった罰かなw

で、購入したのは
白川静『文字逍遥』平凡社
緒方竹虎『一軍人の生涯』文藝春秋新社
の2冊。当分積読かな。

第二十回早稲田青空古本祭は6日まで。

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